暗号通貨を送受信するのに、毎回26~42文字の複雑な英数字をコピペしたり、通貨ごとにいくつもの暗号アドレスを管理するのって非効率ですよね。誰に(どこに)送っているのかも分かりにくいし、送金ミスする可能性もあり、特に初心者にとっては不安材料かと思います。
NFTドメインを使えば、[name.wallet] などのユーザー名アドレスで、まるでEmailを送るように簡単に暗号通貨の送受金ができるようになります。この記事では、NFTドメインの取得方法について分かりやすく解説します。
NFTドメイン(ブロックチェーンドメイン)とは
現状、暗号通貨の取引には、26~42文字の複雑な英数字の暗号アドレスが使われています。しかし、暗号通貨にはたくさんの種類がありますし、複数の通貨取引所やウォレットを使用していると使用するアドレスも多くなり管理が大変になります。うっかり送金ミスでもしたら大金を失ってしまうリスクもあります。
イメージ
NFTドメインを使えば、Emailを送信するのと同じくらい、暗号通貨の送信が簡単になります。たとえばNFTドメインを使った『ユーザ名アドレス』と従来の暗号アドレスとを比較すると以下のようになります。
26~42文字の英数字:
0x468B609Cb13Eb1126260f91cD4FC22F98ea499Ec
NFTドメイン:
yutaka.wallet
NFTドメインの方は送金先が一目瞭然ですね。しかも、このドメインひとつで様々な暗号通貨アドレスを送受信できるので、通貨ごとにたくさんのアドレスを管理する必要もなくなります。
個人であれば自身のファーストネームやハンドルネーム、事業をしている方ならサービス名、プロダクト名、屋号など、企業であれば企業名などをドメイン名に使うことが考えられます。
Unstoppable DomainsのNFTドメインは、すでに300以上のアプリケーションと統合が完了しており、そのうち、80以上のウォレットや取引所が、NFTドメインを使った暗号資産の送受金に対応しています。
今後、暗号通貨やNFTの取引が、限られた層から一般層あるいはビジネス層まで広がってくると、より簡単で安全に取引できる仕組みが求められてきます。それに伴い、情報感度の高い個人や企業がブロックチェーンドメインを取得するケースが、これから急激に増えていくでしょう。
取得したいドメインが手に入らない可能性
これからの暗号取引では必須とも思えるNFTドメインですが、ひとつ気をつけたいのは、このNFTドメインの『ドメイン名』取得は “早いもの勝ち” という点です。もし取得したいドメイン名がある場合は、他者 (社) に取得される前に確保する必要があります。
先に他の人 (企業) に取得されると、そのドメインが売りに出されるのを待つしかなくなりますし、初期価格よりも高値で購入せざるを得なくなります。なので、どうしても欲しいドメイン名は、早めにゲットしておくに越したことはありません。(すでに手に入らなくなっているドメイン名もたくさんあります。)
NFTドメインを提供しているのは
NFTドメインを提供しているのは『Unstoppable Domains』というデジタルIDプラットフォーム企業です。すでに同社のNFTドメインの登録数は250万以上、トータルの販売額は8000万ドル以上になります。
📣【速報】📣
2022年7月27日、シリーズA資金調達ラウンドで、6500万ドルを調達と発表がありました!これによりUnstoppable Domainsは、企業の評価額10億ドルのユニコーン企業🦄となりました! かなり有望です。
1/ BIG NEWS 🦄🦄🦄
— unstoppable.nft (@unstoppableweb) July 27, 2022
We’re excited to share that we’ve raised $65 million – at a $1 billion valuation – in a Series A led by @PanteraCapital! 🚀
This is a huge milestone for NFT domains and further validation for user-owned digital identity.
🧵👇or blog: https://t.co/PclWefOcK0 pic.twitter.com/jtz5ppyBlt
ここまで、暗号の送受信用に.wallet ドメインを例にご説明しましたが、Unstoppable Domainsでは、以下の10種類のドメインが取得可能です。
.x | .crypto | .coin | .wallet | .bitcoin |
.888 | .nft | .dao | .zil | .blockchain |
通常のドメイン(.comのような)の場合、使用し続けるのに更新費用がかかり、支払いを忘れると所有権を失効してしまいます。NFTドメインの場合は最初の取得費を払うだけで永遠に自分のものになり更新費は必要ありません。
また、暗号アドレスとしてだけでなく、WebサイトのURLとして使用したり、PFPを設定したり、Webサービスのユーザー名や IDとして使用も可能です。最近はNFTドメインをTwitterのユーザ名に設定する人も増えています。
所有するNFTを、PFP画像として設定もできる
2022年1月10日には、新機能『Login with Unstoppable』をローンチしました。[name.crypto] などのドメインネームひとつで、様々なWebサービスに簡単・安全にログインできる機能です。
まずは、自身の取得したいユーザー名でNFTドメインが取得可能か、そして価格はいくらかなどを確認してみてはいかがでしょうか。
ちなみに、先日(7月27日)に『CryptoName byGMO』というNFTドメインサービスが国内でリリースされました。
これは『GMOインターネットグループ』と『Unstoppable Domains社』のパートナーシップによるもので『NFTドメインの紹介・登録代行を行うサービス』と謳っていますが、現状はGMOからUnstoppable公式サイトにお客を転送しているだけです。
結局、会員登録から何からUnstoppable公式サイトですべて自力で行う必要があるので、最初から、Unstoppable Domains公式サイトに行くほうが賢明です。
NFTドメインを取得する
NFTドメインを取得するには、まず、Unstoppable Domainsの公式サイトでアカウントを作成しておきます。サイト右上の『サインアップ』アイコンをクリックします。
🔹 現在、サイトの主要なページは日本語化されているので安心です。
🔹 もし日本語表記にならない時は、サイトの一番下にある言語メニューで切替えて下さい。
以下のようにサインアップの画面になるので、アカウントを作成してサイトにログインしておきます。アカウント作成で入力が必要なのはメールアドレスとパスワードだけです。
ウォレット接続でもサインアップ可能です
2段階認証の画面が表示されると思いますので『認証コードを送信』をクリックします。登録メールアドレス宛に認証コードが届きますので、コードを入力して『確認する』をクリックします。
『認証コードを送信』
認証コードを入力 →『確認する』
これで、メールアドレスの認証が完了したので『CONTINUE』をクリックします。
アカウントが作成できましたら、トップページのサーチ欄から取得したいドメイン名を検索してみます。ここでは例として「techffee (当ブログのサイト名)」と入力して『検索する』をクリックしてみます。
以下のように検索結果が表示されました。「techffee」という文字列で取得可能なドメインが確認できます。グリーンのチェックマークが付いているものは取得可能です。取得にかかる金額も表示されていますね。安いものは5〜20ドルから購入できます。
たとえば「cat」という単語でサーチしてみると以下のような結果になりました。[cat.crypto] の場合500万円以上とかなり高額ですね。
Premium Domains NFT Saleのページカテゴリー別に表示できます。
では今回、自分のファーストネームをドメイン名としたNFTドメインを取得してみたいと思います。
自分の名前でサーチすると、すべての種類のドメインが取得可能な状態でした。NFTドメインを暗号通貨の送受金に使用する目的で、今回は「.wallet」ドメインを取得してみます。「.wallet」を選択して「カートに追加」をクリックします。
下記のようにカートに入るので「カートに移動」ボタンを押します。
取得するドメインや金額を確認して問題なければ「チェックアウト」をクリックします。
支払い方法の画面になります。以下のように『クレジットカード、PayPal、暗号通貨、Crypto.comアプリ』の中から支払い方法を選択できます。私は今回クレジットカードで決済しました。決済情報を入力したら「決済」ボタンをクリックします。
決済が完了して以下のような画面になります。登録したメールアドレス宛にレシートメールが届きますので確認しておきましょう。これでNFTドメインの取得は完了です。簡単でしたね。取得さえしておけば他の人に取られる心配はもうありません。
さて、上記見ていただくと『次のステップ』のところに『ミント』とありますね。この Mintとは、取得したNFTドメインが “自身の所有であること” を、ブロックチェーン上に書き込む処理になります。
取得したドメインの MINT(ミント)と MANAGE(管理) が無料に!
取得したNFTドメインを、暗号通貨の送受金などに使用するには以下の2つの処理が必要です。
① Mint:
・ドメインをブロックチェーンに書き込む
② Manage:
・ドメインに仮想通貨アドレスを追加する
(ほかにも様々な機能あり)
以前は、上記の ① Mintや ② Manageなど、イーサリアム・ブロックチェーン上に何か変更を加える (書き込む) 際に、イーサリアムの取引手数料として高額なガス代 (計算料金) がかかっていました。
しかし2021年11月15日以降、レイヤー2ソリューションとしてPolygonのネットワークが導入され Mint処理におけるガス代がなんと完全無料になりました! また、Manage機能の方も11月29日頃から完全無料になっています🚀
取得したNFTドメインを Mint する
取得したNFTドメインの”所有”を、ブロックチェーンに記録するために「ミント」ボタンをクリックします。
あるいは以下『マイドメイン』の、該当ドメインの右横にある「フリーミント」ボタンをクリックしてもOKです。
『ポリゴンでドメインを作成』表示されるので『続行する』をクリックします。
NFTドメインの所有を、ブロックチェーンに記録するために暗号通貨ウォレットに接続します。ウォレットはいくつか選択肢がありますが、ここでは、一般に広く使用されている『MetaMask (メタマスク)』を選択します。
MetaMaskをUnstoppable Domainsのサイトに接続させるので「次へ」をクリック。
※MATICの残高はゼロでOKです。
以下の表示になるので「接続」→「署名」をクリックして、Unstoppable Domainsのサイトに、MetaMaskを接続します。
接続をクリック
署名をクリック
ここで『メールアドレスの確認』画面が表示されるので、アカウント作成時と同様に認証コードを入力して『2段階認証』を完了させます。
以下の画面になったら、追加したウォレットを選択します。
『ドメインの所有者は、次のウォレットアドレスに割り当てられます』の箇所で「了解」にチェックを入れたら「確認する」をクリックします。
ここで再度『メールアドレスの確認』画面が表示されるので、認証コードを入力して『2段階認証』を完了させます。セキュリティが厳重なのは良いことです。
「お客様のドメインは、ブロックチェーンとお客様のクリプトウォレットでデプロイ中です。」と表示されます。『デプロイ』とは『展開する』という意味ですね。
「進捗状況を追跡」ボタンを押して、処理の進行状況を確認します。
My Transactionsのページが表示されます。Mint Domainの処理状況が「Pending (保留中)」となっていますね。
ブロックチェーンの混雑状況にもよると思いますが、しばらくすると以下のように「Completed (完了)」に切り替わります。これで自身のNFTドメインの所有が、ブロックチェーン上に書き込まれました。
OpenSeaで取得したドメインを確認する
NFTドメインを紐付けたウォレットを、NFTマーケットプレイスの『OpenSea』に接続すると、以下のように取得したドメインをコレクションとして確認することができます。
ただし、Mintした直後は、以下のようにドメイン名や画像が正しく表示されていないかもしれません。
この場合は、アイテムをクリックして詳細ページを表示させ、右上の『リフレッシュボタン』を押します。しばらくするとドメイン名や画像が正しく反映します。ただ反映まで半日〜1日ほどかかる場合があるので翌日とかに確認すればよいでしょう。
ドメインに暗号アドレスを追加する
ドメインのMintが完了したら、NFTドメインで暗号通貨の送金や受け取りができるように、暗号アドレスを追加していきます。
暗号アドレスを追加するには『マイドメイン』から、該当のドメインの横にある「管理する」ボタンをクリックします。
「Manage(管理)」の画面が開くので『Crypto』を選択します。ここで、NFTドメインに紐づける暗号通貨アドレスを設定することが出来ます。
ETHとMATICは、ドメインを紐付けたウォレットのアドレスがすでに入っています 👆
ここでは、BTCのアドレスを追加してみます。
ここに表示されていない通貨は一番下の「Add Currency」から探して追加できますよ。
必要なアドレスを入力したら、下にある「Confirm Changes」をクリックします。Mintのときと同様、Walletへの接続と署名を促されるので画面の指示に従います。暗号アドレスの追加に、ガス代は一切かかりません。
上部に「Track Progress (進捗を確認)」と表示されるのでクリックします。
変更が完了するまでは、以下のように「Pending」と表示されます。処理が完了するまで数分程度かと思います。
数分で処理が完了し「Completed」と表示されました。これでドメインに暗号アドレスが追加されました。NFTドメインでの送金に対応済みのウォレットや取引所で使用することができます。
Manage「暗号アドレス追加」以外の機能
Manage画面では、ご覧の通り「暗号アドレスの追加」以外にもたくさんの機能が用意されていますね。
Webサイトを構築したり、NFTコレクションをプロフィール画像として設定できたりと、デジタルアイデンティティとしてNFTドメインを活用する仕組みが整いつつあります。
NFTコレクションをプロフィール画像(PFP)として設定する方法を、別途、以下の記事に詳しくまとめています。NFTを所有されている方はぜひ設定してみてください。
について、以下の記事にまとめました。
取得したNFTドメインに送金してみる
Trust Walletアプリで新しいウォレットを作成し、BTCを1万円ほど入金しています。
送金画面に行きます。ここで、通常は以下のように『複雑な英数字の文字列』を、暗号通貨のアドレスとして入力しますよね。わざわざ毎回コピペしてくる必要があり面倒です。送金先を間違える可能性もありリスクですね。
では、取得したNFTドメインアドレスを入力してみます。「.walle..」と途中まで入力した状態だと、以下のように「!」マークが表示されます。
NFTドメインアドレスをすべて入力した状態。チェックマークが付いてアドレスの有効性が確認できたことが分かります。「次へ」をタップ。
確認画面が表示され、送信先 (To) がちゃんとNFTドメインに登録したアドレスになっていることがわかります。「承認」をタップ。
数分後に「完了しました」と表示されました。無事にNFTドメインを使用してBTCの送信が完了したようです。もちろん送金先 (Binance)でも入金が確認できております。初めて送金するときは、少額でテストするようにしましょう。
現状すでに、以下のウォレット各社が、ポリゴン上でMintされたNFTドメインをサポートしているそうです。
Trust Wallet、Burst/Signum Wallet、Bacoor、XDEFI、Ambo、Alpha Wallet、Edge Wallet、Atomic Wallet、Coinomi Wallet、Equal Wallet、Guarda Wallet
Unstoppable Domains社の今後の予定
Phase1: 11月15日〜(導入完了)
・Polygon上でドメインのMintが無料になる
Phase2: 11月29日(頃)〜(導入完了)
・Polygon上でドメインのManage(管理)が無料になる
Phase3: 2022年1月〜2月(導入完了)
・イーサリアムで取得したドメインをPolygonに移行可能に
Phase3: 2022年3月〜4月 (想定)
・Polygonで取得したドメインをイーサリアムに移行可能に
※こちらの記事でも随時、情報のアップデートをしていきます🔥
NFTドメインはデジタルアイデンティティに
そして、NFTドメインの機能は、暗号通貨の送受信だけではありません。
2022年1月10日に新機能が追加されました!
2022年1月10日に新機能『Login with Unstoppable』をローンチしました。[name.crypto] などのドメインネームひとつで、様々なアプリケーションに簡単・安全にログインできる機能です。
あらゆるWebサービスに、ドメインネームひとつで、オンライン上の『デジタルアイデンティティ』を持ち運ぶことを可能にします。
『Login with Unstoppable』機能の詳しい内容については下記の記事で解説しています。
2022年8月17日 モバイルアプリが登場!
これまでもドメインの管理など、UnstoppableのWebサイト上で出来ましたが、アプリを使うことで外出先でも簡単にさまざまな操作が行えるようになります。
また、所有するNFTを表示させた『カスタムカード』をシェアしたり、iPhoneやApple Watchのロック画面に表示する機能なども実装されています。
ブロックチェーンドメインNFTは、いちど取得してしまえば、手放さないかぎり永久に自分のものになります。また、取得するドメイン名によっては、価値が上がれば売却するなどして利益を得ることも可能です。
ブロックチェーン上の資産とも言えますので、まずは、Unstoppable Domainsで納得の行くドメイン名を取得しておくことが先決ですね。
また、新しい情報が出てきましたら随時更新していきます。
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